ワールドワイドのMMOサービスの場合、よほどひどい内容でもなければどのサービスでも人が
そこそこいます。単純に市場規模の差であり、世界共通語の英語を前提として人が集まるのが
大きいです。
中の人がどこの国かはともかく、意思疎通さえ何とかなればオンラインゲームとしての前提条件
はクリアできます。
振り返って日本のMMO(に限らずオンラインゲームサービス全般)を見てみると、1年以上経過
したらどのサービスも閑古鳥、いわゆるネトゲ廃人層しか残っておらず、新規はいない、古参の
複数アカウントばかりが増えて実働ユニークユーザ数は減少の一途です。
同じオンラインゲームサービスでなぜかくも差があるのでしょうか。
個人的には、ゲームに入る段階でのモチベーションの差と、課金に対する意識の差が大きいと
考えています。
海外ではガチャがオンラインカジノに類するということで禁止の国があるので、ワールドワイドで
サービスを展開するならガチャに頼れない=アイテム課金モデルは採用できません。その関係
で月額課金がほとんどです。またプレイするユーザも「月額が当然」と思って入ってきますので、
ゲームに対するモチベーションの差が出ます。月額が当然で払った分は楽しむぞ!という強い
モチベーションでプレイする人は、多少のことでは休止や引退はしません。
日本ではこれらが正反対になります。
月額サービスの衰退
↓
基本無料アイテム課金(+ガチャ)モデルのヒット
↓
月額制を採用する新規タイトルの極端な減少(絶滅に近いです)
↓
オンラインゲームサービスに対するユーザの意識の低下
という負の歴史をたどってきたツケが現れているのでしょう。日本のプレイヤーの場合、ゲーム
に対するモチベーションが極端に低いことが多いです。たまたま見かけて無料って言うから少し
だけやってみようかな?程度の意識です。モチベーションが低いので課金の意識も低いです。
タダって言うからやってみたのに!という意識がその根底にあります。
ゲームが進んでくると、
・カバンが課金
・キャラクタ強化が課金
・装備強化が課金
・強化失敗のロスト保護チケットが課金
・家が課金
・騎乗ペットが課金
・アバターが課金
・新エリア、新クラス、新システムが課金
何をするにも課金の壁にガツガツとぶち当たります。実際そこまでしないと収益は出ませんが、
そうなるとモチベーションの低い大半のユーザはすぐに脱落してサービスが成立しません。
そこで、無料で遊べる範囲を少しだけゆるくする代わりに射幸心を煽ります。一部のユーザが
重課金をしてガチャを回すことで全体のユーザを支える構図です。何が問題でしょうか?
パッと考えつく範囲でもいくつかあげられます。
1.収益の安定性がない
2.ユニークユーザ数の安定性がない(極端に言えば時間がたつほど急激に減少する)
3.急速な村社会化が進み、2年もするとモチベーションの高い一部のユーザしか残らない
商業サービスとしては1がもっとも重要です。射幸心に頼っている限り、みんながほしがる物を
常にガチャで提供し続けることが必須条件になります。そういうアイテムはバランスを破壊する
ことが多いです。ドフスでも呪文巻物やAP+1シゲカックスなどがそれに当たります。
でも、中長期的に重要なのはむしろ2や3です。ゲームに入るモチベーションが低いので、すぐ
やめていく人が大半だということです。βテストが大盛況なら正式サービスも安泰かと言ったら
大間違いです。
これを防ぐにはどうすればいいかと言えば、すぐにやめていくモチベーションの低い人を入り口
の段階でふるいにかけるしかありません。日本ドフスでも導入された、事実上の月額化です。
日本の課金システムは海外とはちょっと違っていて、一括2万円か累計5万円の課金でフリー
プレイが可能です。このシステムがアエリア正式サービス時代から導入されていればよかった
のにと本心から思います。
その後Ankama本社へ運営が戻されることになった時、本家ドフスとほぼ同じレートでの月額を
希望する人はたくさんいました。当時ドフスに残っていた人たちの多くは、無料でほぼ制限なく
遊べるのはいいけど何でもかんでもガチャに入れてくるのはもうたくさんだと思う人が多かった
ように思います。と同時にコンテンツも大半が消化されて、一部の高レベルダンジョン・未実装
エリアを残すのみという段階へ進んでいきました。
にも関わらず抜本的な手が打たれず、無料で制限なく遊べる代わりに新アイテムはガチャで、
本家で実装済みのコンテンツはまったくこないという状態が長く続きました。そこへ満を持して
プレミアムモードの導入です。正直に言うと1年遅かったと思います。
すでに現状の日本ドフスは、MMOの大きな楽しみの1つである野良パーティが組みにくい所
まで追い詰められています。これはもう小手先のイベントやキャンペーンでどうにかできるもの
ではないでしょう。ネットにつないでソロゲーやるくらいならコンシューマゲームをやってる方が
なんぼかマシというものです。
もし1つだけ要求が通るのなら、ウルカニア島の実装と同時に30日間限定でオープンβテストを
再び実施してほしいです。ちょうど夏休みの30日間をターゲットとして、ドフスを知らない人たち
の集客と、引退してしまった人のカムバックキャンペーンを同時に実施してほしい。さらに日本
では未実装のまま放置されているコンテンツの具体的な実装スケジュールも日程つきで公開
してほしいですね。ここまでやればプレイのモチベーションが続く人は多いと思います。
当然ですが課金システムの周知徹底もこの時期に行い、テスト期間終了後の課金を理解して
もらった上で集客することが前提です。これは上記のモチベーションの問題につながります。
昔やっていたストラガーデンNEO(NEOのつかない初期からプレイしていました)というゲーム
はユーザから何と呼ばれていたかというと
”超高級食材を小学生に調理させたようなゲーム”
という評価でした。今でも課金の仕方やゲームバランスの取り方さえ間違わなければ、化けた
可能性はあると思っています。当初クライアントがパッケージ販売で、さらに月額という二重苦
からスタートしましたが、ハンゲームとの提携で一時的に人があふれてプレイしにくい状態まで
復活しました。しかしその後の度重なる不祥事と数回の運営移管を経て、現在では延命期の
村社会となってしまった不遇の名作です。
こういう前例を知っているだけに、日本ドフスでは「お金を取った分だけきちんとサービスする」
ということを守ってほしいわけです。海外本家の情報なんて誰でもわかります。日本が未実装
コンテンツで取り残されていることもみんな知っています。
ウルカニア島は今年からやっと実装するようですが、すでに7月も近いことですしフリゴスト島の
スケジュールもあわせて具体的な日程を公開してほしいものです。
P.S.
アエリアから運営を奪い返したAnkamaに言っても無駄だと思いますが、ハンゲームと提携して
くれたら今の課金システムでもかなり人は増えると思います。
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