コンプガチャ関連で検索ヒットしたリンクをざっと流し読みしていて面白い記事を拾いました。
イース開発者・岩崎啓眞@snapwithガチャ規制に激怒
http://blog.livedoor.jp/nyussoku/archives/52018198.html
知っている人はよく知っているこの方は、私個人的にはアマチュアリズムあふれる熱血開発者
として非常に尊敬しておりますし高く評価している方でもあります。古くはPC-Engineのイースや、
天外魔境II(エンディングの演出に賛否両論ありますが)などのプログラム開発・バランス調整
などを担当された有能な方です。
その岩崎氏が上記リンクのtwitterスクリーンショットのような発言をされているわけですが誤解
されていると思います。コンプガチャで違法性が指摘される部分は報道記事を見る限りかなり
狭くて、コレクションという広範囲の行為ではありません。
今回の消費者庁関連報道の趣旨において違法だとされている条件について。
・ガチャを引いて
・当選品の中からいくつかの特定の組み合わせを集めて
・その結果、新たなアイテムまたは権利を得る
という一連のシーケンスが問題とされております。すなわち、
・ただのガチャだけであれば(当選率とかそのへんの規定は別として)適法
・有料無料を問わず、アイテムをコレクションするだけであれば適法
・コレクションした結果、特定の組み合わせで新たな商品・サービスを得る行為は違法
ということでしょう。アイテムの収集やガチャだけで問題なら、現在流通している家庭用ゲーム
とかオンラインゲームのほとんどが違法になってしまいます。ちなみに、当選率を状況次第で
変化させるのは、パチンコ業界なども規制されている通り明白な違法行為です。
と、ここまで書いた後に個人的な規制されてほしい項目の願望でも垂れ流そうかと思ったら、
名指しで指摘されたGREE / DeNAはストップ安だわ、ソーシャルゲームを提供している会社が
軒並み株価を落とすわ、事の発端である消費者庁は「そんなこと言ってねーよ」などと言うわ、
バケツをひっくり返したような騒ぎで何を信じていいかわからない状態です。
正直なところ、オンラインゲームの課金体系についてはサービス会社のポリシーによるところ
が大きいわけですけど、それこそ千差万別です。ドフスのように金が取れそうなコンテンツを
高額に設定して、そのコンテンツを必要としない人にとっては非常に低コストで遊べるゲーム
もあれば、ソーシャルのように期間限定ボスがわくエリアに課金、ボスにたどりつくまで課金、
ボスと戦って宝箱を手に入れた!・・・が、箱をあける鍵も課金のように、ちょっとしたことにも
すぐ課金にぶちあたるものまでさまざまです。
今回は官庁が正式に動く前に読売新聞が先走って騒ぎを大きくした感もありますけど、この
騒ぎでコンプリートガチャを継続するのは難しくなるでしょう。それだけでも前進だと思います。
なんというか騒ぎの広がり方が消費者金融(サラ金)のグレーゾーン金利とそっくりで、前例
の経緯を見るにソーシャル業界も(その煽りを食らうオンラインゲーム業界も)無傷で終わる
のは難しいように思えます。
月額文化が衰退してしまった不幸な国ニッポンにおいて、顧客の射幸心に頼った収益構造
から抜け出せないことが諸悪の根源だと思います。売り手と買い手というのは、個人的には
対等なビジネスパートナーだと考えていますので、どちらかの足下を見透かすような商慣行
は健全ではないと思いますし、任天堂の岩田社長が言う通り長続きしないでしょう。
今後のオンラインゲームサービスの発展を祈りつつ、日本のオンラインゲーム産業各社に
おかれましては、顧客の射幸心に依存したビジネスモデルから早期に脱却されますことを
強くおすすめさせていただきたく存じますはい。
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